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2021年1月17日日曜日

【図解】最強の学習習慣形成方法?!


 

・「試験勉強の勉強時間で学年1位のクラスを目指そう!」

・「高校生は『学年』+1時間の勉強時間を!」

・「学習時間を調査します!」


 教師をやっていると必ず耳にするフレーズ。そして、直面する「勉強しない子は本当に勉強しない」という課題。(正直なのはいいんだけどね!と開き直るしかありませんよね)

 さて、「家庭学習の習慣を作る」という目標を達成するために教師ができることは何なのでしょうか?今回は、習慣形成コンサルタント吉井雅之著「習慣が10割」を基に、生徒への促しを考えてみます。

 (本記事では、吉井 雅之著「習慣が10割」と、サラタメさん『【17分で解説】習慣が10割|習慣化できないのは、〇〇を知らないから』を基に、生徒の学習習慣を形成するテクニックの考察です。)




前提


脳は「正しさ」では動かない



 定期考査後、課題を提出を促されてから行い、それでいて成績の良くない生徒を見ていて、私は「あえて考査後にやるメリットなんてほとんどないだろうに、どうしてテスト対策を兼ねて、考査前にやらないんだろう。」と毎回不思議に思っていました。さらに、提出しない生徒と「その行動ってどうなの?」と尋ねても「自分でも頭悪いなと思うんですよね」と答える。

 

 詳しい話は本書を読んでほしいのですが、我々の脳は、意志よりも、「不快を回避する」という判断を優先的に行うそう。脳はストレスから身を守るための行動を優先する、と聞くとまぁ納得がいきます。


 「あえて考査後に課題を行う」という行動の背景を考えると ①「『課題を行う』という不快さの回避 をした上で、②『「提出せずに怒られる」という不快さの回避」 という合理性があるのでしょう。たとえそれが、合理性に欠けたものであっても。


 このことからわかるのは、「メリットを並べた正しさ」より「サボりたい!」を優先してしまうというのは、脳の性質上、一定の整合性が取れた行動だということです。

 

 さて、彼が家庭学習の習慣を身につけるために、私には何ができるのでしょうか。習慣形成のコツは大きく4つあるそうです。

 



習慣形成のテクニック①

・欲望の明確化


 脳は本能的に「不快」を回避します。そのため「学習=快」という前提を作らなければいけません。そのため、習慣形成のテクニックの1つ目は「学習によって得られるメリットを言語化する」ことです。

 

 教員が目標を書かせる場合、「今学期の目標点を書こう」や「何ができるようになるかを書こう」という部分でとどまってしまいがちです。しかし、これらを書かせたところで、そこには「生徒の気持ち」がありません。肝心なのは、欲望と結びつけハッキリと意識させることです。


 ・「考査でいい点数を取る」という結果がどういうメリットを生むのか

 ・「英語ができるようになると、どういった点で良いのか」


 「金になる!」「志望校に受かる!」「どうせやらないといけない受験勉強を前倒しで行い、後を楽にする!」「出川イングリッシュは面白いんだけど、本当の解答をわかった上で見るからもっと面白くなる!」「単純に追試受けなくて済む!」など、品はないかもしれませんが、「心と結びつける」という点ではかなり有効なように思います。


 「『教師として』崇高な存在でありたい」と考えてしまいがちですが、実際に有効なのは「『ペテン師として』でも実利的な存在であるべき」なのかもしれません。もちろん、ここまで明確にしなくても動ける生徒もいますが、その“優等生”と“怠慢な生徒”の差は、現段階で「メリットが見えている」かどうかだけなのかもしれません。(改めて思えば、勤勉で英語が得意な生徒がよく勉強するのは、決して崇高であるわけではなく、単に「更に自己有用感を感じたい」という欲望で動いている可能性もあると思うと、学習の動機に貴賤はないのかもしれません。)




習慣形成のテクニック②

・一番小さく始める



 習慣形成のテクニックの2つ目は、「ハードルをとにかく下げたルールを決める」ということです。

 決めた習慣を実行できない場合、決めた行動規範を守れない自身の怠惰さに不快さ・無力感を覚えます。そして、再開しても守れないかもしれない恐怖に襲われ、習慣の定着し損ねます。そもそも、やる気があるときは「やめろ」と言われても勝手に実行します。ここでの目的はあくまでも「やる気の有無に関わらず、一定の習慣を形成すること」です。その先にある「到達するかしないか」はひとまず別問題ですし、習慣が形成した後に改善すればいい。とにかくまずは、習慣形成のための簡単なルールを立てましょう。


 実際、「毎日、問題集を3ページする!」といった目標をいきなり達成できているのを見た覚えがありません。兎にも角にも、低すぎる行動規範を提示することから始めればよいのではないでしょうか。「1日1回、勉強机に座る!」「日記を1行以上書く」といった低くてもいいのでとにかく行動規範を思い描くのがポイントかと思います。

 ここでの「低すぎる習慣のルール」は「低い目標(単語テストで○点取るなど)」に非ず「簡単な行動規範(単語帳を開いてみる)」であるのもポイントだと思います。




習慣形成のテクニック③・④

・時間と場所を固定する

・人を巻き込む



 習慣形成のテクニックの3つ目は「時間と場所の固定」、4つ目は「人を巻き込む」ことです。

 これらは実感があるので、多くはまとめません。





最強の学習習慣形成方法?!


 以上を踏まえて、実行可能かどうかを度外視し、最強の学習習慣形成の方法を提案します。それは以下のルールです。実践できたら面白いだろうなぁ。



毎日○時から○分間、クラスで勉強する様子をビデオ中継する

【補足ルール】

①開始時間だけは守る(すぐに抜けてOK)

②中継はミュート(目的は学習習慣)


これができると、メキメキ勉強してしまいそうな気がします。


[メリット]

・中継に使用するため、スマホを見れない

・強制的に時間と場所を固定


[デメリット]

・通話でグダグダになる

・参加者が減って孤立感が生まれる

・通信費・環境的な側面

・管理

・何していいかがピンとこない生徒は参加できない


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