サラタメさん【サラリーマンYouTuber】で紹介されている桐生稔著『いまさら聞けない 雑談の一流、二流、三流』のまとめ動画である『【書籍 解説】雑談の一流、二流、三流|コミュ力おばけ養成講座』という動画をもとに,思わずクラス開きの際にやってみたくなる活動を提案します。
身の回りには割と誰とでも円滑に会話を交わし、人間関係をスムーズに構築していく「コミュ力高い」人間がいます。一方で、会話の滑り出しが下手で、一緒にいても会話が続かない「コミュ力低い」人間もいます(「人見知り」なんて便利な言葉でお茶を濁すこともありますが)。
そもそも,この“コミュ力”をちゃんと定義しようとするととんでもない哲学のお話に陥ってしまうので,今回は「コミュニケーション能力」=「楽しく会話を展開する能力」と限定し,その育成を図ります。
"コミュ力"を意図的に育成する?
「母語でできないことはハードルが高い!」
私が授業中によく感じることです。
当たり前のように「じゃ、1分間英語でお話してください!テーマは『レジ袋の是非』。どうぞ!」と指示を出すことがあるのですが,会話が停滞する生徒は決まって同じ。ただし,「英語ができない生徒」ではなく「お話が苦手な生徒」であるケースが多いのです。その子が話しやすいように話題を意識することもあるのですが,結局会話はあまり上手くいかないパターンが多いように感じます。
逆に考えれば。
1分間の発話量くらいに関して言えば,正確さについては「英語の知識」が影響するのでしょうが,流暢さについては母語の「コミュ力」に依存をするように思います。つまり,母語での「コミュ力」を上げてしまえば,英語の発話量上がるんじゃん?と思うわけです。
英語の授業のみならず,クラス内の人間関係の構築において,または行事の進行・運営していく場面においても,コミュニケーション能力が高すぎて邪魔になることはないように思われます。これらのソーシャルスキルトレーニングのような“会話の訓練”的なものは一切行われず,生徒が持って生まれた「外向性/内向性」程度で扱われがちですが,会話のテクニックを練習してクラス開きしたっていいじゃないか!と思うわけです。
Let's "コミュ力"向上トレーニング!
超重要なポイントです。
コミュ力(会話力)
≠話の上手さ
=相手に会話させる力
本書によると,「コミュニケーション能力の高い人物」とは一見イメージしがちな「話が上手な芸人」にあらず,「相手に気持ちよく会話させるMC」なんだそうです。つまり,話を面白くする劇的なオチだとか,キャッチ―なワードセンスなどは不要。むしろ,司会者としての相手の会話を引き出し,心地よいターンのやり取りを円滑に行うスキルが求められるそうです。
紹介されていたテクニックの中から,生徒に導入したいものを3つ選びました。
①【会話導入テク】
挨拶+気づき+質問
1 スムーズな会話のスタートは挨拶から。
2 そして,会話を円滑にするために気づきを添えます。この気づきは何でもOKで,相手から読み取れる気づき,天候・気候・スケジュールから得られた気づき,自身の周辺状況などを挨拶にプラスします。
3 最後に,相手がリアクションしやすいように質問形式でターン誘導します。
―例―
【対同級】おはよう!今日は○○の宿題があったね。やった?
【対先輩】お疲れ様です。その○○,かわいいですね!誰かからもらったんですか?
②【万能テク】
話者間の共通部→違いに注目する
会話が弾む要素の1つに、「相手との共通部を見つける」ことが挙げられています。簡単には見つけることは難しいと思いますが、それだけに価値があります。見つけたら、そこが会話の突破口。生まれ育った環境が異なる人間が100%一致するわけがありませんので、共通部が見つからなかった場合も、その共通部の違いに注目し、ルーツを探り、無理やり自分の特性を当てはめて共通部を作り出しましょう!
―例―
「自分は○○が好きなんだけど,○○好き?」
[Yesルート]
「一緒だ!自分は○○だから好きなんだけど,何で好きなの?」
[Noルート]
「えっ?何で?!逆に何が好きなの?」
→「それの△△な部分は私も好き!一緒だね!」
②【前提ルール】
15秒以内に会話を回す
クラス開きにやりたい「会話の練習」?
ー活動例ー
3つのテクニックを意識しながら,ロールプレイでおしゃべりの練習してみましょう!
[1回目]自分×自分
[2回目]先輩×後輩
[3回目]先生×生徒
まとめと本音
最近まで「自分はコミュニケーションが割と得意な方だ!」と思い込んで生きてきましたが、思い返してみると、私の思う“会話が弾む” = “自分の持ちネタで相手が笑う” だったのでは?と反省しています。
コミュニケーションは「双方のやり取り」であり、片方が一方的に支配できるものではありません。身近な「コミュニケーションが上手な人」を浮かべてみると、やはり相手の話をきちんと聞いている顔が浮かびます。「相手のトークを引き出す力」という大きなファクターを度外視してコミュニケーションを語ることは不可能ではないでしょうか。コミュニケーション英語の教科書には、表現するための文法や型はたくさん説明されていますが、相手との共通項のすり合わせや差異の明確化など、根底に求められる部分は特に明記されていないような気がします、あったらごめんなさい。
教壇に立つ人間として、生徒にお手本を見せる側として、一方的に「喋り散らかすコミュニケーション勘違い野郎」を量産しないためにも、まずは私もロールプレイに参加しながら、上手な会話力を身に着けねば、と思う次第です。
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