・普段、他の先生ってどうやって「読解」の指導をしているの?
・研究授業や公開授業といった「張り切った授業」じゃなくて、普段の授業が気になる!
今回の記事では、塾講師+教員生活を通して、マイナーチェンジを重ね、やっと落ち着いてきた「Readingの授業」のプリントの基本のレイアウトをご紹介します。私もまだまだ未熟ですので、「こういう進め方もあるのね」程度で読んでいただけると幸いです。
※今回の「雛形」については、基本的なレイアウトに過ぎないので、教科書の単元によっては目的に合わせてガラリとデザインを変えることもあります。
①覚えるための「単語リスト」
授業の冒頭では、まず新出単語を確認します。基本的には、
・チェック欄
・英単語
・(本文中での)意味
で構成された表をポンと置いているだけです。
意識している工夫は以下の通りです。
①教科書でピックアップされている単語だけでなく、熟語も記載する
コンセプトとしては「本単元で覚えてほしい知識については、単語と熟語を区別せず、一覧にして渡す」。標準的な単語リストだと、熟語や固有名詞等は別で記載してあることが多いですが、「身につけてほしい」と思うのは共通です。よって、本文に登場する順番で「熟語」も織り交ぜてリストを作成しています。(別にする必然性がいまいちピンとこないんですよね、、、)
②チェック欄以外に「書き込む」という作業を強制しない
コンセプトとしては「『覚えるべきリスト』という目的を強調するため」。「全員が共通で行う文章」についてはこちらで配布することで、家庭学習に取り組めない生徒が参加できない状況を生み出さず、語彙の導入に専念したデザインを意識しています。もちろん、自身で語学学習する際には、「調べる」という過程は非常に重要だと思うので、「リストを調べて完成させる!」的な授業をされるパターンもあると思いますが、「単語や熟語を調べる作業」については、週末課題・自主課題・演習形式の復習で行わせることにしています。
一応、語彙導入の際に、発音確認と同時にコアイメージや語源、日本語として取り入られているカタカナ語など、暗記の引っ掛かりを紹介するのですが、それらについては特にメモを強制しません。(メモを取る生徒は勝手に取りますし、有用性こそ説明はしますが強要して作業化してしまっても仕方がないので。)授業冒頭で、発音・語源等の確認作業(3分)→暗記活動(20秒)→チェック(30秒)→再暗記(20秒)をサクッと済ませ、読解へシフトします。
③教科書でピックアップされている単語だけでなく、怪しそうな表現は全てリストに加えておく
④余白には写真やイラストを置く
②文法解説+例文確認
本文でターゲットにされている文法が含まれた文をピックアップし、文法解説を行います。基本的にサクッと流したいので、メモの書き込みこそありますが、基本的にはマーカーを引くだけで完成します(自分でまとめる習慣については、週末課題等で補完しているつもりです)。共通して言えるテーマは「Readingのスキルを高めるために、『読解』をしてほしい訳で、文法の習得は別でもいいじゃん!」です。
①難しめの文を先に解説することで、本文の大まかな流れをガイドする
②例文で用法を確認することで、「形式的な訳」ではなく、文法のニュアンスを固める
③ターゲット文法でなくても、難しめな文法の復習を混ぜることも
③本文+ほぼFのTF問題
ここでやっと初見の読解を行います。パーツで言えば「単語・熟語」「文法」のレベルでわからない部分を潰しているので、読解の集中できるという段階になっている予定です。読む目的は文章によって異なりますが、基本的には「本文を正しく読み取れているか」をTFの正誤問題で確認していくことが多いです。そして、私の作成するTFの正誤問題は、基本的に全てFです(Fを作りにくい文については、稀にTを入れることもありますが)。生徒は「勘違いだらけの読解」を直すために、正確に読み取ることが求められます。(生徒も「どうせ全部Fじゃろ!」と言いますが、どこが違うのかを読み取るためにリーディングに取り組みます。)
①代名詞の内容の取り間違えTF問題
②対比表現のすり替え
③真逆の文に言い換え
④「言い過ぎ」に変える
⑤因果関係のすり替え
④サイトラ(解説メモ)
まとめと本音
私のコミュニケーション英語は基本的に、上記のプリントで授業を進め、生徒は家庭で「ノートをまとめ直す」というルーティーンで授業が進行しています。長めの文章になれば、「前編」「後編」に分けてプリントを作成することで、1授業につき1枚をベースにしています。
もちろん、もっとコミュニカティブな進行で授業をするべきなのかなぁ?と思いはするのですが、やらせたい活動の時間を捻出するために、本文の取り扱いは上記のような過程でパパッと終わらせてしまうのもアリなのでは?、と日々感じています。
研究授業や授業交流を校内で実施することがあるのですが、その際には「生徒の活動を見せたい!」と思い、日々の普通の授業を見せることが少ないのですが、一番土台となる日々の授業を誰にも見せないってどーいうこと?という葛藤から、今回改めて授業の通常回をまとめてみました。
習熟度が異なっても、サポートの丁寧さを変えることで汎用性が高いことから、ここ数年はこのレイアウトがテンプレになっています。是非、参考にしてみてください。
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